確かに,DivXがつけた火花はハデハデだった。普通だったら最終的にはスタンダードに落ち着いていくことが多いこの業界で,次世代動画コーデックは,アウトサイド勢の力がいまだ満ちている,確かに,確かに。
MPEG4をベースとしたビデオ圧縮技術「DivX」が,開発者たちのプロジェクト・メイオーからオープンソース化された。これによって,多様なOSへの対応,次世代DivXの開発環境充実化を目指す。
ここではDivXがMS MPEG4の海賊版であるかどうかは問わない。というより,そんなことは,ど〜だっていいことだ。所詮MS MPEG4だって,標準規格から逸脱したものであり,迷惑な存在。また,DivXがDVDをコピーできる悪の技術だということも問わない。MP3同様,圧縮コーデック自体に罪はない。あとは使う人間の質次第だ。コーデックを裁く場所なんて,この社会にはない。私たちは,MP3がそうであるように,それが優れた技術であるなら,それに身を埋める,妨げられようとも。
(現状ではまだまだ使い物にならないが)オンラインでの高画質動画配信のためのコーデックは,大きなうねりの中にある。DivX,3ivX,on2のVP3といった,云わば第4世代の圧縮コーデックたち。たぶんこれらアウトサイドの圧縮技術世代と,スタンダードなMPEG4とのせめぎ合いがこの先続き,そして,広く定着する“なにか”が生まれてくるだろう。いろいろな圧力と動向に揺さぶられるスタンダードに対し,アウトサイドは使いやすさとフィードバックを積極的に取り入れていく。とりあえず,私はマックで驚異的な圧縮力を実現しているというon2 VP3をがりがりとテスト中…。
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